金魚の病気

病気の対策
【エサのやりすぎは病気のもと】
特に人工飼料の場合一度にたくさん与えると、消化不良を起こして下痢や便秘、腸炎になります。食べ残しやフンも多くなりますので水質も悪化し、病気にかかりやすい環境ができあがってしまいます。また不規則なエサやり、夜のエサやり、古くなったエサもやはり消化不良を引き起こしますので注意しましょう。
【よくない水は病気のもと】
大量のフンや食べ残しなどによる水の汚れは、寄生虫や病原菌にとっては好環境です。そのままにしておくと寄生虫などが繁殖して、いろいろな病気が発生します。また水質の悪化は酸欠状態を招き、金魚の体力が落ち、病気にかかりやすくなります。ゴミや食べ残しなどはすぐ始末する習慣をつけてください。
【感染源を寄せつけない】
水換えなどで金魚を別の容器に移すときは、追いまわしたり乱暴に扱ったりしないでください。ウロコが落ちたりヒレが傷ついたりすると、そこから寄生虫や病原菌が入ります。新しい金魚が病気を持ちこむこともあります。食塩欲や薬浴をさせてから水槽に入れることも予防のひとつです。
【運動不足とストレスに気をつける】
金魚の数が多すぎたり、小さな水槽で大型の金魚を飼ったりすると運動不足になりがちです。運動不足は食欲不振を招き、体力の低下が病気を呼びます。また、ストレスも食欲不振におちいります。出来るだけストレスを感じさせないようにしましょう。
【病気を知らせる行動の異常】
水温の低下や水質悪化など環境に問題がないにもかかわらず、エサを食べない、底のほうでじっとしているなど元気がないときは、病気の可能性が高いでしょう。また突然飛び跳ねたり、砂利に体をこすりつけたりするときも要注意です。金魚の体に異変はないかよく観察しましょう。
病気の種類と治療法
犬や猫が病気になっても、動物病院につれて行けばひと安心ですが、ふつう魚などは診てもらえません。金魚が病気になったら自分で診断を下し、治療をするしかありません。薬はお店で売っています。分からないことがあればお店の人に相談しましょう。なお、薬の使用方法はそれぞれの用法、用量に従ってください。
【寄生虫が原因の病気】
白点病 〜春先や秋、水温15℃前後に多発〜
<症状> 体表やヒレに1mm以下の白点ができ、またたく間に全身に広がります。初期の頃はガラス面や砂利に患部をこすりつけます。ひどくなると食欲がなくなり衰弱死します。またエラに寄生すると窒息死します。
<原因> 繊毛虫のイクチオフチリウス(白点虫)が表皮の下やエラに寄生します。大きさは直径0.5〜0.8mmで、金魚の栄養を吸い取って成長するといったん金魚から離れて、水底で何百もの小虫に分裂します。その小虫もまた金魚に寄生します。
<処置> 金魚に寄生している親虫はなかなか駆除できませんが、高温に弱いので水温を30℃以上にすると体から離れます。水中にいるものは薬で駆除できます。したがって、別の容器で水温を30℃以上にして薬浴か食塩浴(1%)させます。

<薬>

グリーンFリキッド、トロピカルゴールド、メチレンブルーなど
白雲病 〜水温の変化が激しい、春先や梅雨時に多発〜
<症状> 体表やヒレのところどころに白い雲のような白濁点ができ、1〜2週間で白い膜が全体を覆い金魚は死んでしまいます。エラに症状が現れると窒息死します。
<原因> 鞭毛虫のコスティアや繊毛虫のキロドネラの寄生によります。白い雲のようなものは、寄生虫の刺激によって金魚が分泌する粘液です。この粘液をエサとして増殖します。
<処置> 寄生虫はかなりの抵抗力があるので、根気よく行います。別の容器で食塩浴が効果的です。2%の食塩水に30分ほど浸け、それを3日ほど繰り返します。また薬浴との併用も効果的です。
<薬> グリーンFリキッド、トロピカルゴールド、メチレンブルーなど
ウオジラミ病 〜一年中、特に高水温の夏ごろ多発、伝染しやすい〜
<症状> 体表やヒレのつけ根に小さな赤い出血斑ができ、かゆいため体を砂利などにこすりつけたり、水面近くにぼんやり浮かんでいることがあります。ひどくなると死ぬことも少なくありません。
<原因> 甲殻類のウオジラミが体表に寄生し、毒針を刺して血を吸います。大きさは直径2〜5mmなので肉眼でもはっきりと確認できます。寄生数が多いいと金魚は貧血を起こし弱ります。
<処置> ピンセットで取り除くことも可能ですが、体を傷つけると逆効果ですので、別の容器で薬浴か食塩浴(1%)がよいでしょう。
<薬> トロピカルN、トロピカルゴールド、リフィッシュなど
イカリムシ病 〜春から秋にかけて発生〜
<症状> 体表やヒレから糸クズのようなものがぶら下がり、ひどくなるとその部分が腫れ上がり出血することもあります。体を砂利などにこすりつけるようになります。
<原因> 甲殻類のイカリムシのメスがウロコの下やヒレなどに寄生し、体液を吸い取ります。長さは5〜10mmなので肉眼でもはっきりと確認できます。頭部はその名のとおり船のイカリの形をしており、それを皮膚に突き入れます。16〜30℃でよく繁殖します。オスはメスとは形が違い、金魚には寄生しません。
<処置> 頭部を残さないようにピンセットで引き抜き、傷口を消毒液で消毒します。別の容器で薬浴をさせてもよいでしょう。
<薬> トロピカルN、トロピカルゴールド、リフィッシュなど
トリコディナ病 〜季節に関係なく、水質の悪化により発生〜
<症状> 体表やヒレ、エラなどに小さな赤い出血斑ができます。ひどくなると体中を粘液の白い膜が包み、ウロコが落ちヒレが切れていきます。エラに寄生すると呼吸できなくなって、窒息死する場合があります。
<原因> 繊毛虫のトリコディナが体表やヒレ、エラなどにに寄生します。特に稚魚や当歳魚に多く発生します。飼育水がきれいな状態ではほとんど発生せず、汚れた状態や、小さな水槽にたくさんの数飼っている場合に発生しやすいです。
<処置> 別の容器で薬浴します。食塩浴との併用も効果的です。2%の食塩水に30分ほど浸け、それを3日ほど繰り返します。
<薬> グリーンFリキッド、トロピカルゴールド、メチレンブルーなど
吸虫病 〜春と夏に多発、水質の悪化により発生、治りにくい病気〜
<症状> 体表やヒレ、エラなどに小さな赤い出血斑ができます。ひどくなると患部は異常分泌された粘液で覆われ、ただれてしまいます。エラに寄生すると、呼吸困難に陥り、あえぐようになります。
<原因> 吸虫類のギロダクチルスやダクチロギルスが寄生します。ギロダクチルスは主に体表やヒレに多く寄生し、ダクチロギルスは主にエラに多く寄生します。
<処置> 症状が初期段階の場合は別の容器で食塩浴(1%)が手軽です。通常はリフィッシュで薬浴し、重傷の場合はグリーンFを合わせて使うとよいでしょう。
<薬> リフィッシュ、グリーンFなど
【カビや細菌が原因の病気】
水カビ病 〜春先や秋、水温15℃前後に多発、傷口から感染〜
<症状> 体表やエラなどに、白い綿のようなカビが付着し、患部がただれたり腐ってきます。金魚はしだいに弱り、衰弱死します。
<原因> 糸状菌類の水カビが付着し、繁殖します。水カビは健康な金魚には発生せず、体表やヒレにできた傷に発生します。金魚の取り扱いには十分注意しましょう。
<処置> ピンセットで綿状のカビを取り除き、薬浴させます。また食塩浴との併用も効果的です。2%の食塩水に30分ほど浸け、それを3日ほど繰り返します。

<薬>

メチレンブルー、トロピカルゴールド、グリーンFなど
マツカサ病 〜季節に関係なく突然感染、治療が困難〜
<症状> 部分的もしくは全身のウロコが逆立ち、松かさのようになります。重症になると出血したり腹部に水がたまって膨らんだり眼球が飛び出すなどの症状が出ます。最後には死に至ります。
<原因> エロモナス菌という細菌が感染するため、という説が有力ですが、他にウィルス感染説、栄養障害説などもあり、まだはっきりしたことは分かっていません。伝染性はあまり強くありません。水質の悪化と古くなったエサを与えるのも原因として考えられます。
<処置> 早いうちに別の容器で、28℃に保温し薬浴させます。また同時に、エサを食べるなら経口投与も効果的です。
<薬> パラザンD、グリーンFゴールドリキッドなど 経口投与にはパラザン
穴あき病 〜春先や秋に多発、見た目よりも金魚は元気〜
<症状> はじめはウロコ1枚ぐらいが白くなり、だんだん広がって出血や充血が現れます。やがて鱗が落ち、皮膚がはがれ肉が露出し体に穴があいた状態になりなす。見た目より金魚は意外に平気なのが特徴です。
<原因> エロモナス属に属する病原菌が、イカリムシなどの寄生跡や外傷による傷口から感染すると考えられています。この病気は高水温では見られません。
<処置> 水温を30℃に保温し食塩浴(0.5%)か、別の容器で薬浴をします。また同時に、エサを食べるなら経口投与も効果的です。
<薬> パラザンD、グリーンFゴールドリキッドなど 経口投与にはパラザン
尾ぐされ病・エラぐされ病・口ぐされ病 〜感染しやすい怖い病気〜
<症状> 各ヒレの先は白くなり切れてボロボロになります。エラは暗赤色か灰色になり、エラブタが異常に膨らんできます。ひどくなるとエラが欠けていき呼吸困難になり、やがて死んでしまいます。口先は白くただれたようになります。
<原因> フレキシバクター・カラムナリスという細菌が傷口から感染し起こる病気です。
<処置> この細菌は塩分に弱いので、食塩浴(0.5%)と薬浴の混合浴を行うと効果的です。また同時に、エサを食べるなら経口投与も効果的です。ただし、傷んだヒレは元どうりにならないので注意しましょう。
<薬> パラザンD、グリーンFゴールドリキッドなど 経口投与にはパラザン
【その他の病気】
ガス病 〜水中の酸素や窒素が飽和状態になると起こる病気〜
<症状> 尾ビレや頭部、エラ蓋などに気泡ができます。重傷になると気泡が破れて尾ビレが切れたり、眼球が飛び出したり、腹部が膨張したりします。
<原因> 特に夏の日中、アオコなどの大量の植物性プランクトンが盛んに光合成をし、酸素や窒素が過飽和状態になったとき起こります。
<処置> 水換えをし、水温を下げて気泡を水に溶け込ませるようにします。

<薬>

なし
転覆病 〜リュウキン型金魚に多く見られる病気〜
<症状> 文字どおり金魚がひっくり返ってしまいます。また動きに変化が見られ、いきなり水面から外に出るように泳いだり、水底で動かなかったりします。
<原因> まだはっきりは分かっていませんが、肥満や消化不良などが原因で浮き袋の調節がうまくできないのではないかと考えられています。
<処置> 水温を30℃近くまで上げて、食塩浴(0.5%)をすれば効果があることもありますが、決定的な治療法はまだありません。
<薬> なし